マンモス岩・ロウソク岩・屏風岩・夫婦岩・狐山など
滝西−雄柏−上立牛の平行岩脈群
浮島峠を越え,滝上へ.視野が広がってくると渚滑川の東側に,先のとがった尖塔状の山が幾つも見えてきます.滝上町滝西から紋別市上立牛にかけての山地にはこのような岩峰や尖った山がたくさんあります.これらは,古第三紀の付加体や新第三紀の砂岩・泥岩の中に貫入した主にデイサイト(石英安山岩)と玄武岩の岩脈です.岩脈はマグマの通り道が冷え固まったもので,山地ではマンモス岩・ロウソク岩など(上立牛)と呼ばれるような岩峰をつくり,オシラネップ川などの渓谷を横切るときは美しい滝を作っています.
これらの岩脈の多くは,幅0.8mから数10mで,東-西から北東-南西に数100m~数km延びた平行あるいは雁行した岩脈からなっています.場所によっては,1km歩くうちに10数本の岩脈を横切ることもあり,火山地域以外で,このようなたくさんの岩脈が集中する地域は珍しいのではないかと思います.これらは新第三紀の終わり頃,千島弧の西進に伴う応力場で形成した岩脈群と考えられています.
既存の指定など
自然景観資源(A4-02-3~-8)
所在地
滝上町 滝西,中雄柏~上雄柏
紋別市 上立牛(神立高原)
参考文献
北海道立地質研究所報告,no.(2008)5万分の1地質図幅「立牛(網走-22)」および同説明書.92p.