無数の“畳”を敷き詰めた
北見枝幸 ウスタイベ千畳岩
北見枝幸の市街地の北方にウスタイベ岬があります.近年,公園・キャンプ場として整備され道北の短い夏には大にぎわいとなります.この岬の突端に「ウスタイベ千畳岩」があります.看板の側の入口から降りて,実際に見てみましょう.節理の発達具合のために,畳を重ねて保管している倉庫のような印象を受けます.なお波を受ける領域では「畳」が崩れ落ちてしまっています.
「ウスタイベ千畳岩」はガラス質安山岩の貫入岩体です.岩体内部の産状から貫入岩とされていますが,周囲の母岩との関係は明らかではありません.この岩体が板状の独特の様相をなすのは,節理と流理構造がおおよそ水平に発達しているためです.形成時期は,道北地方の火山岩から得られたK-Ar年代値は14~8Maであり,これより新しい時期の活動は認められていないことから,この貫入岩も同時期の活動によるものと考えられます.
既存の指定など
北オホーツク道立自然公園
所在地
枝幸町 ウスタイベ岬
リンク
参考文献
道北地方地学懇話会 編(1995)道北の自然を歩く.北海道大学図書刊行会,269p.
北海道開発庁(1962)5万分の1地質図幅「枝幸(網走-2)」および同説明書.31p.