クロム・石綿・タルクを産した山
ペラリ山の蛇紋岩
日高南部の三石(新ひだか町)にある標高718mのペラリ山の山頂は一等三角点と天測点が存在する.天測点とは天文測量を実施するために設置された基準点のことです.昭和29年から5年間だけこの測量が実施されました.北海道では馬追山・篦射峰山・和寒山などにも設置されているそうです.
本題の地質に戻りますと,ペラリ山は神居古潭帯に属する蛇紋岩岩体と優白岩から構成されています.この蛇紋岩岩体には複数のクロム鉄鉱鉱床が存在し,静内クロム鉱山が6本ほどの坑道掘削を行い,操業していました.この他,石綿鉱床も複数あり,3鉱山が採掘・操業していました.石綿の繊維長は最大1cm,平均で0.5cm程度だったそうです.なお石綿はアスベストのことですが,重機などを使って蛇紋岩の掘削や粉砕を行わない限り,飛散することはありません.健康被害に神経質になる必要はありません.
所在地
新ひだか町 ペラリ山
リンク
参考文献
松下勝秀・鈴木守(1962)5万分の1地質図幅「濃屋」および同説明書,31p.