芦別の三段滝
三笠から芦別川上流を通り,道道を経由して富良野に抜ける国道452号線は,富良野への近道として近年交通量が多くなっているが,その途中に唯一の駐車・トイレスペースである三段の滝駐車場がある.駐車場を下りて遊歩道を芦別川の方に降りていくと,明灰色の砂岩の広い露出があり,水量にもよるが,その段差を轟々と川が流れ落ちている.三段の滝である(写真1).遊歩道の入り口には芦別市の設置した説明看板が立っている(写真2).滝になっているところに立ち入ることはできないが,遊歩道やその脇に砂岩が露出しているので,粗粒なその岩相を観察することができる.
この砂岩は,蝦夷層群羽幌川層月見砂岩部層に属するもので,珪長質の火山性タービダイト砂岩とされている(Takashima et al., 2004)(写真3).泥質岩の卓越するいわゆる“上部蝦夷層群”では,特異な粗粒岩相ともいえる.
所在地
芦別市 芦別川上流
参考文献
Takashima, R., Kawabe, F., Nishi, H., Moriya, K., Wani, R. and Ando, H., 2004, Geology and stratigraphy of forearc basin sediments in Hokkaido, Japan: Cretaceous environmental events on the Northwest Pacific margin. Cretaceous Research, 25, 365-390.