道内で初めて認定されたメランジュ
館浜メランジュ
日本国内では1970年代から導入が始まったプレートテクトニクス,そしてそれに基づいた付加体地質学は,日本列島のような環太平洋地域の島弧地域の地質学を大きく発展させた.
メランジュは,剪断した泥質基質とさまざまな形状・岩質の岩塊の混在相からなる,付加体に特徴的な地質体で,プレート沈み込みに伴う強い剪断作用によって形成されたと考えられている.
北海道内で,最初にメランジュと認定・命名されたのは,おそらく松前町館浜漁港周辺に分布する館浜メランジュ(川村ほか,1986)である.館浜メランジュはジュラ紀付加体である渡島帯に属している.渡島半島南部地域は,海岸地域に付加体が露出しており,その内部構造や地質構成をよく観察できる格好の地域となっている.
館浜メランジュは,典型的なメランジュ岩相のほかに,ドロマイト・ハイアロクラスタイト質泥岩の互層からなる海洋性岩体を伴っている.
所在地
松前町 館浜
リンク
参考文献
川村信人・田近淳・川村寿郎・加藤幸弘(1986)西南北海道の中・古生界の地質構成と産状.地団研専報,No.31, 17-32.