二股温泉の巨大石灰華ドーム
二股温泉は明治以前から温泉として利用されていたと言われているが,最近になって温泉旅館も新築され,道路整備でアクセスも便利になった.
この温泉の圧巻はなんと言っても,温泉旅館の横にそびえたつ巨大な石灰華ドームである.長万部町の設置した説明看板によると,その高さは少なくとも25 mある.複数のドームが複合しているようで,基部の大きさは判然としない.全体の分布地域は400 x 200 mに及ぶとされている.脇水(1922)により,温泉沈殿物中に放射性のラジウム等を含むとされ,現在の温泉名の由来ともなっている.
国内の石灰華ドームとしては,岩手県夏油温泉の天狗の岩が有名であるが,規模的にはこれに勝るとも劣らないものであろう.
既存の指定など
北海道天然記念物指定(1965)
所在地
長万部町 大峯 二股温泉
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参考文献
黒沢邦彦・田近 淳・八幡正弘・山岸宏光(1993)5万分の1地質図幅『大平山』および同説明書.北海道立地下資源調査所,78p.
脇水鐵五郎(1922)北海道二股温泉の放射性石灰華.地学雑誌,34, 1-11.