北海道最大の砂岩脈
春採太郎
砂岩脈の規模(厚さ)に関する統計的な研究はほとんどなく,Hayashi (1966)にも明確な記述はない.しかし,ここにご紹介する釧路の砂岩脈は,北海道で最大のものであり,おそらく日本でも最大のものの一つであろう.
釧路市の東部,興津海岸の海蝕崖には,旧釧路炭田の挟炭層である(古第三系)始新統雄別層の,おもに砂岩・シルト岩・礫岩互層からなる河川成層がほぼ水平に露出している(長浜,1961).その中に,厚さ4m以上のほぼ垂直な砂岩脈が存在する.この砂岩脈は,永渕(1952)によって初めて記載され『春採太郎』という愛称が付けられている.
海蝕崖の下をしばらく釧路市外方面に歩くと,迫力のある春採太郎の姿が見えてくる(写真1).砂岩脈の内部は,貫入壁に垂直な方向に明らかに分化しており,粒度の違いやラミナ様構造などを確認することが出来る(写真2).
既存の指定など
釧路市天然記念物
所在地
釧路市 興津
リンク
参考文献
Hayashi, T. (1966) Clastic dikes in Japan (I). Japan. Jour. Geol. Geogr., 37, 1-20.
永渕正叙(1952)釧路地区に於ける砂岩脈.炭鉱技術,7, 11, 13-15.
長浜春夫(1961)5万分の1地質図幅『釧路』および同説明書.北海道開発庁,53p.
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