ジュラ紀の海溝堆積物
松前町折戸浜のタービダイト
折戸浜は一応海水浴場となっており,大きな駐車場が設けられている.ここから海岸に出てみると,ごつごつとした岩場になっている.
岩場を作っているのは黒っぽい非常に固そうな岩石で,北海道では時代の古い部類に属するジュラ紀の砂岩泥岩互層である.この砂岩泥岩互層は,当時のプレート沈み込み部である海溝を埋め立てた土砂にあたるもので,『海溝充填堆積物』と呼ばれている.渡島帯では,これらの土砂は東アジア大陸縁辺部から運ばれてきたことが明らかになっている(川村ほか,2000)これらの堆積物と沈み込んできた海洋プレートが一体となって『付加体』と呼ばれる特徴的な地質体を構成している.
駐車場向かいの海岸に露出している砂岩泥岩互層の中には,非常に粗粒で層厚の厚いタービダイト砂岩層も観察される(写真1).しかし多くの部分はもっと細粒で薄層の砂岩泥岩互層で,見事な縞状の互層構造を見ることができる(写真2).
所在地
松前町 折戸浜
リンク
参考文献
川村信人・大津 直・寺田 剛・安田直樹(1994) 渡島帯付加体の内部構造.日本地質学会第101年学術大会見学旅行案内書,175-195.
川村信人・安田直樹・渡辺暉夫・Mark Fanning・寺田 剛(2000)渡島帯ジュラ紀石英長石質砂岩の組成と供給地質体.地質学論集,No.57,63-72.
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